ブランド戦略は何から始めるべきか
ブランド戦略は何から始めるべきか——ロゴでも広告でもない、最初の一歩
「そろそろブランディングをやろう」と決めたとき、多くの企業が最初に検討するのは、ロゴのリニューアルや、広告・SNSの強化です。しかしそれは、多くの場合、最初の一歩ではありません。
なぜ「ロゴ・広告」から入ると失敗するのか
見た目や発信量を変えることは、比較的着手しやすい施策です。だからこそ、多くの企業がそこから始めてしまいます。
しかし、伝えるべき中身が整理されないまま見た目だけを変えても、変わるのは「印象」だけです。半年後、また同じ議論に戻ってくることになります。
「デザインを一新したのに、何も変わった気がしない」——そう感じる企業の多くは、ここでつまずいています。
最初に整理すべきは「選ばれる理由」
ブランド戦略の出発点は、表現ではなく、事実の整理です。
- 自社は、なぜ選ばれているのか(あるいは、選ばれていないのか)
- 競合と比較したとき、何が違うのか
- その違いは、顧客にとってどんな意味を持つのか
これらは、経営者や現場の担当者の頭の中にはすでにあることが多いものです。ただし、言語化されておらず、社内でも共有されていません。ロゴや広告を考える前に、この「選ばれる理由」を一度、言葉にして揃える必要があります。
社内の認識合わせが先か、対外発信が先か
「選ばれる理由」が整理できたら、次にやるべきは対外発信ではありません。社内の認識合わせです。
経営層が思う自社の強みと、営業現場が語る強みと、広報が発信している内容が揃っていない企業は少なくありません。この状態のまま対外発信を強化すると、発信するほど、かえって一貫性のなさが目立つようになります。
外に出す前に、中で揃える。順番を間違えないことが、遠回りを避ける最短ルートです。
進め方の目安
企業の規模や状況にもよりますが、一般的な目安は次の通りです。
- 現状整理・関係者ヒアリング:2〜4週間
- 「選ばれる理由」の言語化:2〜3週間
- 社内での共有・すり合わせ:継続的に実施
- 対外発信への反映:言語化が固まった後、段階的に着手
関わるべき人は、経営層だけでなく、現場で顧客と接している担当者を含めることをお勧めします。「選ばれる理由」は、現場の実感の中にあることが多いためです。
まとめ:最初の一歩は「対話」から
ブランド戦略は、デザインや広告の話である前に、自社を見つめ直す対話から始まります。
何を大切にしているのか。何を優先するのか。何をやらないのか。その判断が積み重なって、初めて「選ばれる理由」が言葉になります。
ロゴや広告は、その後に来るものです。順番を間違えなければ、これから取り組む施策は、無駄なく積み上がっていきます。
